高嶺の花も恋をしたい!
 高野の必死の告白に、私を好きだという気持ちだけは伝わってくる。

「……じゃあ、今は話してくれるの?」
「ああ……」

 観念したように、高野は実家のことについて話し出した。

 高野の実家は、丸高組という日本では有数の宮大工を抱える建築会社だ。創業は鎌倉時代まで遡り、現在では主に神社仏閣の建築や修繕、重要文化財の耐震補強や修繕を国から任されている。
 ここまではホームページで見た通り。

 現在の社長は高野のおじい様がされていて、次期社長は高野の父親ではなく、高野と決まっていた。

 なぜなら、高野の父親は建築の道へ進まなかったからだ。

「指揮者の高野理一⁉」
「知っているのか? クラシックなんてあまり聴かないだろう?」
「さすがにその名前は知っているよ……」

 たしか朝日交響楽団の首席指揮者で、国内外で幅広く活躍されている方だ。

 クラシックを聴かない私でもその名前を知っているのは、某有名インスタントコーヒーのコマーシャルに出演していて、超イケメン指揮者として一躍有名になったからだ。

 私が小さい頃の記憶だけど、あのコマーシャルは鮮明に覚えていた。
 思い浮かべると、高野より少し甘いマスクのイケメンだったけれど、確かに似ている。

 高野理一がお父様なのか――!
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