高嶺の花も恋をしたい!
「でも、そう思われても仕方ないんじゃないか? 俺はお前が悪いと思うけど。同棲してるくらいなんだから、ちゃんとお互いのことを話して、将来的なことも漠然とでいいから話し合っておくべきだっただろう」
「う……」

 あまりにもその通り過ぎて、何も言い返せない。

「……花緒の負担になると思ったんだ」
「お前が彼女の気持ちを勝手に決めるのは間違ってるだろう?」
「――!」

『私の気持ちを勝手に決めつけないで!』と言った花緒の声が頭に蘇る。

「たしかに彼女はまだ若い。結婚を考える年齢でもないだろう。それでもお前を選んで付き合っていて、その付き合っている相手に事情があるなら、真剣に考えるだろう。逃げ出すような子じゃないと思うぞ」
「だからだ。だから負担になると思って……」
「お前、本当にあの夫婦の息子か? 両親の何を見てきたんだよ」
「あ……」

 父親の夢のために、自分の人生を嫁ぎ先の家業に捧げた母。だがそれでも、いつも生き生きとして常に前向きだった。

 父親はただ単に母親に甘えていた訳じゃない。母親が信じてくれているからこそ、その期待に応え、結果を出したんだ。

 全てはお互いを信じていたからできたことだ。
 なのに俺は……。
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