高嶺の花も恋をしたい!
「たった三ヶ月だったが、あの女には心底参っていた。俺が本社へ来た後も、有休をすべて消化する勢いでこっちへ来ていたらしい。ストーカーするためだな。副社長秘書になった花緒ちゃんが妬ましくて、ああいう犯行に出たらしい」
「とんだ迷惑だな」
「警察に行って、あとは弁護士に任せたよ」

 その女に法的処置がなされるのかは知らないが、問題はあれを真に受けた、社内の人間への対応だ。花緒の名誉を守らないといけない。

「俺との写真は単なる飲み会帰りで、よくある光景だ。あの書き込みがセットでなければ、大した問題ではない。それに……もうすぐそれどころじゃなくなるだろうし。問題はお前の方だ」
「夏成は社内恋愛を禁止しているわけじゃないんだろう?」
「もちろんそうだが……田村部長の補佐役が聞いたそうだ。社内の女たちが、給湯室で花緒ちゃんに詰め寄っているところを」
「は? なんだそれ……」
「花緒ちゃんに言ってなかっただろう? お前が丸高組の御曹司だって」
「気持ち悪い言い方するな。御曹司なんてものじゃないだろうが。ただの宮大工集団の跡取りなだけだ」
「だが歴史ある会社の跡取りなのは間違いない。彼女のくせに何も知らないのか、なら遊び相手なだけだろうから、私たちもまだまだ狙えるわって、そう言われたらしいぞ、花緒ちゃん」

 さっき花緒が言ってたのはそのことだったのか。最悪だ。花緒をいじめた女どもに殺意が湧く。
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