高嶺の花も恋をしたい!
「夏成ハウスに入社が決まったとき、じいさんは自分の力を試して来いって送り出してくれた。母親からは三十歳までに帰って来いと条件を付けられた。俺の自由時間は三十歳までか、短いな……なら最大限やりたいことをやろうと思いつつも、寄り道することの罪悪感が消えなかったんだ」
「それは責任感、だね」
「ああ。けど、昨日のじいさんの言葉を聞いて救われた」
「そっか……」

 でも、おそらくおじい様も同じように罪悪感があったのではないか。そう思うのは私だけだろうか。

 息子には自由を与え、音楽の道に進ませたのに、孫には自由を与えなくていいのだろうかと。

 おじい様にしてみれば、全てを孫に背負わせることになってしまった罪悪感が、きっとあったのだと思う。

 だから自分が生きている限りは、孫に窮屈な思いをせず生きてほしい、そういう願いも伝えたかったのだろう。

「でも」

 高野が正面から私を見て言った。
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