高嶺の花も恋をしたい!
「花緒のおかげだ」
「え?」
「昨日、じいさんと話ができたのは、ある意味花緒がキレたからだろう?」
「な……」

 私がキレたから実家に追いやられて、おじい様に会えたって?
 結果的にはそうなのかもしれないけど、お礼を言われると、大人げない自分が恥ずかしくなる。

「でも、良かった……太一くん今すごくいい顔してるよ」
「そうか? 今だから言うけど、ずっと後ろめたさみたいなものがあった」
「後ろめたさ?」
「言ってなかったけど、俺の大学時代のインターン先は丸高組なんだ。柏原邸本邸の修繕工事も、俺が入っていた。だが俺は、本来ならそのまま丸高組に入るべきなのに、どうしても近代建築もやってみたくて、夏成ハウスを受けたんだ。もちろんズルはしていない。ちゃんと入社試験は受けたし、面接も」
「それは知ってる」
「あ……そうだったな」
 
 私たちの出会いは、最終面接の日だもの。
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