高嶺の花も恋をしたい!
「……起きたのか?」
「う、うん。ごめんなさい、私、ワインバーで寝ちゃったのね」

 高野が上半身を起こし、ベッドサイドにある時計を見ている。

 時計は1時30分をさしていた。少なくとも、記憶のあった頃から3時間以上が経過している。

「いや……俺ももっと早くに止めるべきだった。せめて家を聞いておけばよかったのだが」
「ごめんね、ご迷惑をおかけしました」
「別に迷惑じゃ……」
「それに、いっぱい愚痴を聞いてくれてありがとうね」

 おかげで今は少しすっきりした気分だ。少し寝たからというのもあるだろう。

「誘ったのは俺だ。気にするな」
「う、うん……」

 少し寝て酔いがさめたからか、こうやってベッドの上に二人でいるのは恥ずかしい。

 でも、壁側にいる私は、高野がいる限りどこにもいけないのだ。

 高野は立ち上がろうとせず、ずっと私の腕を掴んだままだった。

 寝起きの彼からは、さっきまでは感じなかった男らしい色香がだだ洩れになっている。ネクタイを外して胸元が開いているせいかしら。

 未だかつて誰からも手を出されたことのない私だし、高野自身は誰とも付き合う気がないと言っていた。

 だから何かが起こるはずもないのだけれど、この色香に当てられる私の方がちょっと心配だ。

 思わず身を委ね、彼にすり寄ってしまいそうになる自分にブレーキをかける。
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