高嶺の花も恋をしたい!
入社式
 4月1日、夏成ハウス工業の入社式が行われた。

 本社と関西の支店に配属された約200名が、本社大ホールに集まった。

 入社式までに遠方の支店へ配属された新入社員は、それぞれの支店からオンライン入社式に参加している。

 あんなことがあったからか、受付だと聞かされた時のショックは和らぎ、受け入れている自分がいる。

 もちろん納得したわけではない。このままでいいとも思っていない。でもとりあえず一年は頑張ってみようと。

 そして、今の自分にできることをやるしかないという結論になったのだ。

 この一年で必ず一級建築士の資格を取る――!

 そんな意気込みで入社式に臨んでいた。



「――新入社員代表による宣誓、高野太一」

 高野の代表宣誓が始まった。
 新入社員500名の代表か。私、そんな人と……。
 思い出すと思わず顔が熱くなる。

 壇上の高野は相変わらずクールで、すらすらと宣誓する姿はどこからどう見てもエリート然としていた。
 今こうしてここに平常心で立てているのも、前向きになれたのも、彼のおかげだった。あの時彼がいてくれてよかった。

 でも、あれはあの夜限りのこと。高野が誰とも付き合う気がないことはわかっている。

 それに高野は酔っ払った私に誘われて、成り行きで仕方なく私を抱いたのだ。初心者の相手をさせられて面倒だったことだろう。これ以上迷惑はかけられない。部署も違うし、今後は距離を置くつもりだ。

 そんなことを思いながら宣誓を聞いていた。
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