高嶺の花も恋をしたい!
取り決め
 あの日、花緒の初めてを奪ってしまった俺は、当然のことながら責任を取るつもりだった。

 元々、体だけの遊びの関係など考えたことはない。過去を振り返っても、女性とはちゃんと付き合って関係を持ってきた。

 ただ、俺が忙しすぎてすぐに愛想をつかされ、結果長続きしたことは皆無だったのだが。

 だから朝起きて花緒がいないことに動揺した。当然付き合う流れになるだろうと思っていたし、花緒もそのつもりなのだろうと思っていたからだ。

 それがまさか逃げられるとは。

 そうなってはじめて連絡先すら知らないことに気づく。

 残されたメモには「ありがとう。頑張ってみる」とだけ書かれていて、連絡の取りようがなかった。

 だがメモの内容から、夏成を辞めるようなことはないとわかった。
 4月はもう目前。待っていれば会えるのだ。

 ところが社内ですれ違い続けたのか、花緒とはなかなか会えず、入社から1週間経った今日、やっとショールームで花緒を見かけた。

 久しぶりに見た花緒は、長く綺麗な脚を惜しげもなくさらしていた。

 あまりに短いユニフォーム姿にドキッとしたと同時に、思わず怒りがこみ上げる。

 腕を上に伸ばすとワンピース自体が持ち上がり、脚のほとんどの部分が見えてしまっているじゃないか。

 あのようなユニフォームを着せるなど、会社としての資質が問われる案件だ。女性社員を飾りのように扱うのは間違っていないか?

 そもそも、花緒が受付に配属されたこと自体が、この会社の間違いなのだ。
 ジェンダーハラスメント、パワハラ、セクハラ、なにで会社を訴えるべきだ?
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