高嶺の花も恋をしたい!
「そんなわけないだろう。せいぜい足の指を足してもちょっと足りない程度だ」
「マジか……それでもすごいよなー! で、それ全部断ったのか? それとも一部は食ったとか」
「俺をなんだと思ってるんだ……。全部断ったよ」
「もったいない! えー、俺だったら日替わりで相手するのに」

 三枝って子犬のような顔をしているのに、こういうやつだったのか。日替わりって……。

「高野は理想が高いんだ?」
「いや……」

 理想が高いと言われて、真っ先に頭に浮かんだのは花緒の顔だった。

 確かに同居人がアレだと、俺の理想も高くなるよな。

 今年の本社受付に選ばれるだけあって、誰と比べても花緒より美人だと思える女はいなかった。

 でも俺は知っている。花緒のいいところは顔だけじゃない。性格も可愛いし、目標を持って頑張っている姿も可愛い。

 あの容姿で、俺と出会うまで新品の状態だったことは、信じがたいことだった。

 まさかあの美しい容姿にコンプレックスを持っていて、自分に自信がないとか、誰が想像できただろう。

 それに、性に素直で貪欲なところも、俺の好みだ。

 見た目と中身のギャップの全てが、俺にとってはツボで、花緒にのめり込むのに時間はかからなかった。

 あの時は花緒に逃げられそうになって、体のみの関係を提案してしまったことを、今となっては後悔している。
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