薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「……え?」

「結婚しませんか?」

聞き間違いじゃなかった。

しかも、言い直した。

「駄目ですか?」

「えっ、突然ですか!?」

疲れなんて一瞬で吹き飛んだ。

「突然ではないと思いますが」

「突然ですよ!」

何を基準に、突然じゃないと思ってるんですか。

未來と坂上先生が連れていかれて、警視総監が来て、ようやく全部終わったと思って。

今。

今ですよ?

やっと一息ついたところですよ?

「何で今なんですか!?」

「事件が一区切りついたからです」

「説明になってません!」

陸斗さんは、本気で何がおかしいのか分からないという顔をしている。

「これまでは神宮寺さんの安全や事件のことがありましたから、私の気持ちだけで話を進めるべきではないと思っていました」

「……はい」

「ですが、一区切りつきました」

「はい」

「ですから今後について考えました」

「そこまでは分かります」

「結婚が一番いいかと」

「何でそこだけ何段も飛ばしたんですか!」

恋人。

交際。

普通そこからでしょう。

私たち、一応、偽装恋人だったはずですよね?

そこからいきなり結婚って。

少し離れたところから、誰かが息を堪えるような音が聞こえた。

見ると、純さんが口元を押さえている。愛梨さんも、聖子さんも、征さんまで何とも言えない顔をしていた。

大雅さんは腕を組んだまま陸斗さんを見て、低く言う。

「先生。さすがに順番がおかしいだろ」

「ですよね!?」

味方がいた。

私はすぐ大雅さんを見る。

「大雅さんの言う通りです!」

「俺に振るな」

ぶっきらぼうに返された。

その横で鈴子さんが、何でもないことのように言う。

「でも、いいんじゃない?」

「鈴子さん!?」

「だって陸斗、二日前にはもう妻って言ってたじゃない」

「それは嘘です!」

「予行演習だったのね」

「違います!」

どうして、あの“妻”がここで回収されるんですか。

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