薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そして出発前。

私はちゃんと事務所にも顔を出した。

「おはようございます」

今日は人が少ない。

陸斗さんと征さんは、すでに九州へ向かっている。

大雅さんは勤務。

茂樹先生も外出中。

最初に気づいたのは聖子さんだった。

「あら、奏ちゃん。今日はお休みじゃなかった?」

「はい。今から静岡へ行ってきます」

「お墓参り?」

「そうです」

近くにいた純さんも顔を上げる。

「今日行くんだ?」

「はい。事件のことも、ちゃんと報告しておきたくて」

「そっか」

純さんの表情が、少しだけ柔らかくなる。

「一人で行くの?」

「一人です。墓地が結構奥なので、遅くなりそうなら一泊しようかなって」

嘘ではない。

本当に、そのつもりだった。

愛梨さんにも。

「気をつけて行ってきてくださいね」

と送り出された。

これでいい。

行き先も伝えた。

一泊する可能性も伝えた。

何も隠していない。

――一つを除いて。
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