薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
静岡へ着き。

駅から少し離れたドラッグストアへ入った。

知っている人なんているはずがない。

それなのに、検査薬の箱を手に取っただけで妙に周りが気になった。

誰も私なんて見ていないのに。

悪いことでもしているみたいな気持ちになる。

「……何やってるんだろ、私」

小さく呟きながら会計を済ませ、駅近くの施設のトイレへ入った。

個室の鍵を掛ける。

箱を開ける。

説明を一度読む。

二度。

もう一度。

手が。

少し震えていた。

検査を終え、あとは待つだけ。

たった数分。

なのに。

異様に長い。

大丈夫。

きっと違う。

ちゃんと避妊している。

だから。

違う。

そう自分に言い聞かせていたけれど、いつまでも見ないわけにはいかない。

覚悟を決めて。

ゆっくり視線を落とした。

「…………え」

線。

一本。

そして。

もう一本。

はっきり。

出ている。

見間違いかと思って、もう一度見る。

消えない。

角度を変えても。

やっぱりある。

「……陽性?」

声が小さく漏れた。

その瞬間。

頭が真っ白になった。

< 225 / 290 >

この作品をシェア

pagetop