薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
北海道から東京へ戻ったあの日。

純さんと愛梨さんに空港まで迎えに来てもらい、そのままビルへ帰った私たちを待っていたのは、案の定というべきか、予想を遥かに上回る騒ぎだった。

茂樹先生が盛大に撒いた薔薇の花びらに、大きな垂れ幕。

山ほど並べられた料理とデザート。

そして、帰ってきた私たちを待ち構えていた、いつもの人たち。

あの時すでに、茂樹先生は婚姻届まで用意していたし、式の話まで始めていた。

それでも私たちは、その場では妊娠のことを言わなかった。

もちろん、三つ子のことも。

北海道まで巻き込まれた征さんを除けば、東京にいる家族や事務所のみんなは何も知らなかった。茂樹先生だけは、私の体調や最近の様子から何かを察しているようだったけれど、それでも無理に聞き出そうとはせず、

『話せる範囲でいいよ』

と言ってくれた。

だから私たちは、静岡へ両親のお墓参りに行ったことや、そこでいろいろ考えることがあり、久しぶりに恵麻へ連絡して北海道まで行ってしまったこと、そして充電を忘れたスマートフォンが使えなくなり、結果的に大騒ぎになってしまったことだけを話した。

妊娠も、三つ子も、その日は二人の間に残したままにした。

そして、みんなの前で私は自分の口から、

『陸斗さんとは……結婚します』

と言った。

少し前まで、何かあるたびに逃げることばかり考えていた私が、自分からこの人との未来を選んだ。

今思い返しても、あの日は私にとって大きな一日だったと思う。

もっとも、妊娠をいつまでも隠しておけるはずもない。

北海道から帰ったあと、私たちは病院や仕事、これからの生活について二人で少しずつ話し合った。すぐに全部の答えが出たわけではなかったけれど、陸斗さんが一人で先回りして決めることも、私が一人で抱え込んで逃げることもせず、初めてきちんと二人で考えた。
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