薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
ふいに美蘭が壁の時計を見る。

「ママ〜、時間ヤバくない?」

「え?」

「保育園のバス、もう来るんじゃない?」

私は固まった。

時計を見る。

「ヤバい!」

美蘭はさらに然と岳を見る。

「お兄ちゃんたちも部活の時間だよね?」

「えっ」

「マジ?」

二人そろって時計を確認した次の瞬間、

「ヤバっ!」

「間に合わない!」

と、椅子が一斉に引かれた。

「陸斗さん、二人を車で送ってください! もう間に合いません!」

「分かりました」

「胡凛、早くー! もう食べてる場合じゃないよ!」

「まだたべるー」

「帰ってきてから!」

「やだー」

「もう〜! 何で今日はこんなに時間掛かったのよ!」

私が頭を抱えると、美蘭がパンを頬張りながら妙に冷静な顔で言った。

「そりゃ〜、あの時間に電話掛けてきた人のせいだよ」

「…………」

正論。

小学二年生。

今日も正論。

すると翠が橙を抱いたまま食卓を見回し、

「ママ、私が片づけるから、みんな送ってきて」

と言った。

「でも翠も学校――」

「まだ大丈夫。橙見ながらやっとくから」

「……ありがとう!」

結局、陸斗さんは然と岳を車で送り、私は美蘭と胡凛を送り出し、翠は橙を見ながら朝食の片づけをしてくれた。

六人も子どもがいると、家族というより、もはや一つのチームだと思う。

誰か一人だけでどうにかしようとしても、絶対に回らない。

昔の私は、一人で何でもやろうとしていた。

今なら、それがどれだけ無謀だったのか、少し分かる気がする。
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