天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
同僚の女性医師や看護師については、以前の大学病院と同様、必要以上に絡まれることは多かったが。
それでも節度が保たれていたのは、ロイヤルフロアという格式ある環境ゆえだろう。患者、医師、スタッフ、総じて品がいい。
下世話な話にはなるが、患者や面会者の中には資産家や経営者がうじゃうじゃいて、有望な医師もたくさん存在する。そんな中に紛れることができたため、必要以上に目立たずに済んだ。
とはいえ、スタッフルームの前を通ると人が集まってくるのは避けられず、当たり障りのない笑顔を作ってあしらっていた。
そんな中にたったひとりだけ、自分に対してまったく興味を示してこない女性がいた。
「ごめん。ちょっと匿って」
そう言ってコンシェルジュルームに入り込んできた黎士を、自分に興味を持たない彼女――藍衣はぎろりとひと睨みする。
「この部屋は休憩所ではありません」
「黒芭さんしかいなくて助かった」
「私はおりますけどもっ!?」
「黒芭さん、俺を空気だと思ってるでしょ? その感じで、仕事進めてくれていいから」
それでも節度が保たれていたのは、ロイヤルフロアという格式ある環境ゆえだろう。患者、医師、スタッフ、総じて品がいい。
下世話な話にはなるが、患者や面会者の中には資産家や経営者がうじゃうじゃいて、有望な医師もたくさん存在する。そんな中に紛れることができたため、必要以上に目立たずに済んだ。
とはいえ、スタッフルームの前を通ると人が集まってくるのは避けられず、当たり障りのない笑顔を作ってあしらっていた。
そんな中にたったひとりだけ、自分に対してまったく興味を示してこない女性がいた。
「ごめん。ちょっと匿って」
そう言ってコンシェルジュルームに入り込んできた黎士を、自分に興味を持たない彼女――藍衣はぎろりとひと睨みする。
「この部屋は休憩所ではありません」
「黒芭さんしかいなくて助かった」
「私はおりますけどもっ!?」
「黒芭さん、俺を空気だと思ってるでしょ? その感じで、仕事進めてくれていいから」