天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
金もなにもいらない、ただ藍衣だけが必要だ。そう答えた黎士は見事、貞平のお眼鏡に敵い、彼女を手に入れた。
とはいえ、藍衣は記憶を失っており、過去の想いも恋心もすべて失くしてしまっている。
婚約というお膳立てはしてもらったが、その後、再び愛が芽生えるかはふたり次第。場合によっては残酷な婚約となるだろう。
とはいえ、父親が企んでいるという財産目当ての縁談で藍衣が幸せになれるとは思えない。彼女を救いたいなら、自分が救うしかないのだ。
(単純なことだ。思い出せないというなら、新しく思い出を作ればいい)
失った記憶以上のものを、この先、長い時間をかけてふたりで築き上げていけばいいのだ。
必ず藍衣を幸せにする、存分に愛を注いでやれる、そんな決意で藍衣と再会した。
藍衣が職場復帰して一カ月。最初の一週間は体力が戻りきっておらず、見ているこちらは心配で仕方がなかったが、今では余裕が出てきたようで頼もしい。
「なあ、藍衣。次の連休、旅行に行かないか?」
ソファの上でタブレットを眺めていた黎士は、風呂から上がってきた藍衣を捕まえた。
とはいえ、藍衣は記憶を失っており、過去の想いも恋心もすべて失くしてしまっている。
婚約というお膳立てはしてもらったが、その後、再び愛が芽生えるかはふたり次第。場合によっては残酷な婚約となるだろう。
とはいえ、父親が企んでいるという財産目当ての縁談で藍衣が幸せになれるとは思えない。彼女を救いたいなら、自分が救うしかないのだ。
(単純なことだ。思い出せないというなら、新しく思い出を作ればいい)
失った記憶以上のものを、この先、長い時間をかけてふたりで築き上げていけばいいのだ。
必ず藍衣を幸せにする、存分に愛を注いでやれる、そんな決意で藍衣と再会した。
藍衣が職場復帰して一カ月。最初の一週間は体力が戻りきっておらず、見ているこちらは心配で仕方がなかったが、今では余裕が出てきたようで頼もしい。
「なあ、藍衣。次の連休、旅行に行かないか?」
ソファの上でタブレットを眺めていた黎士は、風呂から上がってきた藍衣を捕まえた。