天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
常に冷静な態度を心がけているのだろうか。それも医師という職業病なのかもしれない。患者の前で慌てた姿を見せるわけにはいかないからだ。
「それにしても、調理器具も食器も食材も、すべて綺麗に揃っていましたね。黎士さんが用意してくださったんですか?」
尋ねると、彼は小さくかぶりを振った。
「俺が前の家から持ってきたのは、自分の荷物と、気に入ってる食器数枚程度だ。なにもなくても生活できる程度には備え付けてあった。黒芭さん――藍衣のお祖父さんが手配したんじゃないかな」
そう説明したあと、不意にチャーハンの入った器を持ち上げる。淡いピンクとグリーンの草花模様がプリントされた白磁の大きなプレートだ。
「この皿は俺が持ってきたやつだが……食器がたくさんある中で、どうしてこれを選んだんだ?」
「これ、黎士さんのお皿だったんですね。すごく素敵なデザインだったので気に入って。これからも使わせてもらっていいですか?」
尋ね返すと、彼は一瞬目を丸くした。ぴくりと眉を上下させたあと。
「そうか……これが気に入ったんだ」
呟くように言ったかと思うと、突然背中を丸めてくすくすと笑い出したから驚いた。
「それにしても、調理器具も食器も食材も、すべて綺麗に揃っていましたね。黎士さんが用意してくださったんですか?」
尋ねると、彼は小さくかぶりを振った。
「俺が前の家から持ってきたのは、自分の荷物と、気に入ってる食器数枚程度だ。なにもなくても生活できる程度には備え付けてあった。黒芭さん――藍衣のお祖父さんが手配したんじゃないかな」
そう説明したあと、不意にチャーハンの入った器を持ち上げる。淡いピンクとグリーンの草花模様がプリントされた白磁の大きなプレートだ。
「この皿は俺が持ってきたやつだが……食器がたくさんある中で、どうしてこれを選んだんだ?」
「これ、黎士さんのお皿だったんですね。すごく素敵なデザインだったので気に入って。これからも使わせてもらっていいですか?」
尋ね返すと、彼は一瞬目を丸くした。ぴくりと眉を上下させたあと。
「そうか……これが気に入ったんだ」
呟くように言ったかと思うと、突然背中を丸めてくすくすと笑い出したから驚いた。