天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
初めて入る彼の寝室。広々とした室内の中央には、大きなベッドが据えられている。細々とした物はすべて棚やクローゼットに収められているらしく、ひどくシンプルで、生活感の乏しい部屋だ。
黎士は藍衣をベッドに寝かせると、収納棚の扉を開き、小ぶりのボストンバッグを持ってきた。
チャックを開けて取り出したのは医療用のペンライト、そして聴診器と手動式の血圧計。
「藍衣。光を見つめて」
そう言ってベッド脇に膝をつくと、藍衣の眼前で光を上下左右に動かす。眼球運動や瞳孔をチェックしているのだろう。
「気持ち悪いとか、頭が痛いとか、ある?」
「本当に大丈夫です。ちょっと張り切り過ぎただけで――」
「腕を出して」
藍衣の必死の言い訳を聞いているのかいないのか、いや聞いてはいるのだろうけれどスルーして、問答無用で血圧を測り始める。
「ちょっとごめん」と言い置いて、服の上から聴診器を当てる。心臓に異常がないことを確認すると、聴診器を耳から外した。
「問題なさそうだ。体調はどうだ? 今日一日、いつもと違うことはあったか?」
「いえ。少し疲れたぐらいで」
黎士は藍衣をベッドに寝かせると、収納棚の扉を開き、小ぶりのボストンバッグを持ってきた。
チャックを開けて取り出したのは医療用のペンライト、そして聴診器と手動式の血圧計。
「藍衣。光を見つめて」
そう言ってベッド脇に膝をつくと、藍衣の眼前で光を上下左右に動かす。眼球運動や瞳孔をチェックしているのだろう。
「気持ち悪いとか、頭が痛いとか、ある?」
「本当に大丈夫です。ちょっと張り切り過ぎただけで――」
「腕を出して」
藍衣の必死の言い訳を聞いているのかいないのか、いや聞いてはいるのだろうけれどスルーして、問答無用で血圧を測り始める。
「ちょっとごめん」と言い置いて、服の上から聴診器を当てる。心臓に異常がないことを確認すると、聴診器を耳から外した。
「問題なさそうだ。体調はどうだ? 今日一日、いつもと違うことはあったか?」
「いえ。少し疲れたぐらいで」