天才外科医の密かなる執愛~傾国の微笑は運命を耽美に狂わせる~
というのも、今見る限りストロベリーやオレンジ、マンゴーなどフルーツのジェラートに惹かれているからだ。

チョコやバニラのようなこってりした味を選ぶ自分が想像できなかった。

「ああ。まあ、食べようとしていたのはオレンジだったんだけど……訳があって」

要領の得ない言い方をする彼。どんな理由があってオレンジがティラミスに変わったのか。だが、それ以前に不可思議なのは――。

「どうして私がなにを食べたかまでご存じなんです? まさか、私はあなたと一緒にここに来たと?」

「そんなに意外?」

「なにか機会があって、職場のみなさんと一緒に来たのでしょうか。あ、担当の患者様が食べたいと言ったとか?」

「どうして俺とのデートの可能性を排除するんだ?」

不満げに言って、ティラミスとオレンジのジェラートをオーダーする。

ワッフルコーンに先の尖ったジェラートがのっていて、小さな松明みたいな形をしている。そのふたつを黎士はスタッフから受け取り、藍衣へ手渡した。

「以前はこれを、裏の公園のベンチで食べた」

「……ふたりで……ですか??」

「だからどうしてそこだけ訝しげなんだ」

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