さようなら、お別れしましょう
「私とハリルが使っている部屋の隣にしていただけたら、より安全かと。こう見えて、そこらの騎士よりは腕がたちます」

 ゼリヤは腕に自信があるようで、胸に手を置き、不敵な顔で微笑んだ。
 
 ――もしかして、ゼリヤは女商人として後宮に出入りしてたけど、商人というだけではない?
 
「ゼリヤは怖いぞ。怒らせるなよ? 息子のハリルも幼いが、腕はたしかだ。安心して過ごすといい」
「はい! ありがとうございます!」

 私の部屋は、ゼリヤとハリルの隣室と決まった。

「補佐官殿、よろしく」

 ジグルズ様が私に手を差し出した。

「ジグルズ様、よろしくお願いします!」
  
 差し出された手を握り、握手を交わす。
 握手をしたジグルズ様の手は、大きくて温かく、大勢の人間を守る手だと思った――

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