さようなら、お別れしましょう
「えぇ~! さすがにそれはないんじゃないの~?」
イーザック様は軽く目を伏せ、侍女たちの言葉を否定せず、怒りをこらえていた。
――もしかして、イーザック様は私を迎えに来たの?
そう思ったのは私だけではなかったようで、広間に微妙な空気が流れた。
「おい! 王が来たというのに、この屋敷の者は挨拶もないのか? 礼儀がなってないぞ」
「イーザック。連絡もせずに、急に訪問したのはお前だろう。お前も礼儀を守れ」
ジグルズ様に叱られて、イーザック様は悔しそうに拳を握りしめた。
「それで、イーザック。お前はなにをしにきたんだ?」
「なにをって、それはいろいろ理由が……」
話しにくいことなのか、イーザック様は屋敷の者たちをちらちらと横目で見る。
それに気づいたジグルズ様は、屋敷の者たちに、広間から出ていくよう目で合図を送った。
それでわかったらしく、彼らは一礼し、静かに広間から出ていった。
この部屋には、私とイーザック様、ジグルズ様だけが残り、とても気まずい雰囲気だ。
「国王がお忍びでくるほどの件か?」
「兄上。誤解ならば、いいのですが、メリアが……メリアと言うのは、俺が迎えた新しい妃で……」
「知っている。お前が新しい妃を迎えると聞いた時、反対したからな」
ジグルズ様は胸の前に腕を組み、険しい顔をしていた。
イーザック様と同じ色をした琥珀色の目は鋭く、自分の忠告を聞かなかった弟を責めていた。
「……っ! たしかに、兄上はメリアを妃に迎えることを反対した。だが、メリアは幼い頃から、俺を愛してくれていたんだ!」
「お前の女性関係について、うるさく言うつもりはない。だが、俺は妻を迎えるのであれば、どちらに対しても誠実でいるべきだと忠告した」
イーザック様には私が嫁ぐ前から、メリアという公認の恋人がいた。
イーザック様は軽く目を伏せ、侍女たちの言葉を否定せず、怒りをこらえていた。
――もしかして、イーザック様は私を迎えに来たの?
そう思ったのは私だけではなかったようで、広間に微妙な空気が流れた。
「おい! 王が来たというのに、この屋敷の者は挨拶もないのか? 礼儀がなってないぞ」
「イーザック。連絡もせずに、急に訪問したのはお前だろう。お前も礼儀を守れ」
ジグルズ様に叱られて、イーザック様は悔しそうに拳を握りしめた。
「それで、イーザック。お前はなにをしにきたんだ?」
「なにをって、それはいろいろ理由が……」
話しにくいことなのか、イーザック様は屋敷の者たちをちらちらと横目で見る。
それに気づいたジグルズ様は、屋敷の者たちに、広間から出ていくよう目で合図を送った。
それでわかったらしく、彼らは一礼し、静かに広間から出ていった。
この部屋には、私とイーザック様、ジグルズ様だけが残り、とても気まずい雰囲気だ。
「国王がお忍びでくるほどの件か?」
「兄上。誤解ならば、いいのですが、メリアが……メリアと言うのは、俺が迎えた新しい妃で……」
「知っている。お前が新しい妃を迎えると聞いた時、反対したからな」
ジグルズ様は胸の前に腕を組み、険しい顔をしていた。
イーザック様と同じ色をした琥珀色の目は鋭く、自分の忠告を聞かなかった弟を責めていた。
「……っ! たしかに、兄上はメリアを妃に迎えることを反対した。だが、メリアは幼い頃から、俺を愛してくれていたんだ!」
「お前の女性関係について、うるさく言うつもりはない。だが、俺は妻を迎えるのであれば、どちらに対しても誠実でいるべきだと忠告した」
イーザック様には私が嫁ぐ前から、メリアという公認の恋人がいた。