さようなら、お別れしましょう
町の人々はハリルを知っているらしく、誰もハリルを止めなかった。
「レフィカ様。あんな小さな子が町の警備だなんて、冗談でしょうか?」
ジェレンも信じていなかった。
でも、私は違う。
「あの男の子が言っていることは、本当ですよ。あの子の額飾りは本物の銀だと思いますし、子供用の剣には、大きな琥珀が一つついています」
宝石を身につけるのは、身を飾るだけでなくお守りとしての意味もある。
ハリルが持っている子供用の剣は、お守りとして渡されたものなのかもしれない。
太陽の光に似た琥珀が、美しく輝いている。
「さすが、レフィカ様は後宮で生まれ育っただけあって、目が肥えていますわね」
「自分の財産はありませんけど、見るのはタダですからね」
普通の子供ではないとわかったけれど、ハリルがうまく、大人相手に事態を収拾できるかどうかは別である。
私もジェレンも、心配でこの場を離れられなかった。
「はいはい、ちゃんと並んで!」
「このっ! 俺に触るな!」
無理に列に並ばせようとしたのが悪かった。
イライラしていた商人が、衝動的にハリルを殴ろうとして、手を振り上げた。
「危ない!」
殴られる――それを見て、とっさに人混みから飛び出した。
「レフィカ様!」
ジェレンが悲鳴に近い声で、私の名前を呼んだ。
手が振り下ろされるかどうか、ギリギリのところで、ハリルを突き飛ばした。
――間に合った!
安心したのは一瞬だけ。
飛び出し、勢いづいた私の体は前のめりになり、そのまま前に倒れかけていた。
ジェレンの『ひっ!』という声が背後から聞こえる。
「……っ!」
転んだと思った瞬間、私の体を大きな手が支えた。
私と商人の間に、割って入ってくれた人がいた。
空いているほうの手で、商人の動きを封じてくれたらしく、私が殴られることはなかった。
「レフィカ様。あんな小さな子が町の警備だなんて、冗談でしょうか?」
ジェレンも信じていなかった。
でも、私は違う。
「あの男の子が言っていることは、本当ですよ。あの子の額飾りは本物の銀だと思いますし、子供用の剣には、大きな琥珀が一つついています」
宝石を身につけるのは、身を飾るだけでなくお守りとしての意味もある。
ハリルが持っている子供用の剣は、お守りとして渡されたものなのかもしれない。
太陽の光に似た琥珀が、美しく輝いている。
「さすが、レフィカ様は後宮で生まれ育っただけあって、目が肥えていますわね」
「自分の財産はありませんけど、見るのはタダですからね」
普通の子供ではないとわかったけれど、ハリルがうまく、大人相手に事態を収拾できるかどうかは別である。
私もジェレンも、心配でこの場を離れられなかった。
「はいはい、ちゃんと並んで!」
「このっ! 俺に触るな!」
無理に列に並ばせようとしたのが悪かった。
イライラしていた商人が、衝動的にハリルを殴ろうとして、手を振り上げた。
「危ない!」
殴られる――それを見て、とっさに人混みから飛び出した。
「レフィカ様!」
ジェレンが悲鳴に近い声で、私の名前を呼んだ。
手が振り下ろされるかどうか、ギリギリのところで、ハリルを突き飛ばした。
――間に合った!
安心したのは一瞬だけ。
飛び出し、勢いづいた私の体は前のめりになり、そのまま前に倒れかけていた。
ジェレンの『ひっ!』という声が背後から聞こえる。
「……っ!」
転んだと思った瞬間、私の体を大きな手が支えた。
私と商人の間に、割って入ってくれた人がいた。
空いているほうの手で、商人の動きを封じてくれたらしく、私が殴られることはなかった。