さようなら、お別れしましょう
「人が増えれば、荷も増える。けれど、我々の人数は増えていない。これで、手一杯なんですよ」
「だったら、手伝う! 手伝うから……!」
「無茶を言わないでください」
そんなやり取りをこちらで繰り広げていたと思えば、違う場所でも、もめ事が起きていた。
「滞在許可が出るまでに三日かかるとはどういうことだ! 三日も町の外で野宿しろということか! さっさと滞在許可証を発行しろ!」
「できませんよ。まだ発行を待っている人がいます!」
滞在許可証を待つ人々の大荷物が通りを塞ぎ、人の流れが滞り、子供が泣き出す始末。
なんとかしないと、怪我人が出る。
そう思っていると、男の子の声が通りに響いた。
「おじさんたち! ちゃんと順番を守って! おとなしく待ってたほうが、はやく順番が回ってくるよ!」
赤い髪と緑の瞳をした七歳くらいの男の子が、大人相手でもひるまず、注意をする。
警備の男性たちは赤髪の男の子を見て、名前を呼んだ。
「ハリル、危ないぞ」
「そうだ。怪我をしたら、お母さんが悲しむだろ」
「ぐっ! 子供扱いはやめろよっ!」
どこからどうみても子供で、大人に守られても恥ずかしくない年齢に見えるハリル。
でも、彼は悔しそうにしていた。
なぜか、ハリルとは初対面なのに、私は初めて会った気がしなくて、目を離せなかった。
「みんなして、すぐにおれを子供扱いするんだからな! おじさん。みんなの邪魔だから、荷物を脇に運んでいいか?」
ハリルは通行の妨げになっている荷物を移動させようとした。
けれど、イライラしていた商人はハリルをにらみつけた。
「なんだ? このガキは! こっちは忙しいんだ。あっちに行ってろ!」
「おれは公爵さまに雇われて、町の見回りを担当しているんだ。おとなしく、列について待ったほうがいいぞ」
「だったら、手伝う! 手伝うから……!」
「無茶を言わないでください」
そんなやり取りをこちらで繰り広げていたと思えば、違う場所でも、もめ事が起きていた。
「滞在許可が出るまでに三日かかるとはどういうことだ! 三日も町の外で野宿しろということか! さっさと滞在許可証を発行しろ!」
「できませんよ。まだ発行を待っている人がいます!」
滞在許可証を待つ人々の大荷物が通りを塞ぎ、人の流れが滞り、子供が泣き出す始末。
なんとかしないと、怪我人が出る。
そう思っていると、男の子の声が通りに響いた。
「おじさんたち! ちゃんと順番を守って! おとなしく待ってたほうが、はやく順番が回ってくるよ!」
赤い髪と緑の瞳をした七歳くらいの男の子が、大人相手でもひるまず、注意をする。
警備の男性たちは赤髪の男の子を見て、名前を呼んだ。
「ハリル、危ないぞ」
「そうだ。怪我をしたら、お母さんが悲しむだろ」
「ぐっ! 子供扱いはやめろよっ!」
どこからどうみても子供で、大人に守られても恥ずかしくない年齢に見えるハリル。
でも、彼は悔しそうにしていた。
なぜか、ハリルとは初対面なのに、私は初めて会った気がしなくて、目を離せなかった。
「みんなして、すぐにおれを子供扱いするんだからな! おじさん。みんなの邪魔だから、荷物を脇に運んでいいか?」
ハリルは通行の妨げになっている荷物を移動させようとした。
けれど、イライラしていた商人はハリルをにらみつけた。
「なんだ? このガキは! こっちは忙しいんだ。あっちに行ってろ!」
「おれは公爵さまに雇われて、町の見回りを担当しているんだ。おとなしく、列について待ったほうがいいぞ」