さようなら、お別れしましょう
嫌みを言ったつもりが、レフィカに軽くかわされた。
「ジグルズ様っ!」
「陛下っ! 落ち着いてくだされ!」
追いついたゼリヤと侍従が、俺の背後で『あれ?』という顔をしている。
どうやら、ゼリヤと侍従も、俺と同じ勘違いをしていたらしい。
「ジグルズ様と陛下が、レフィカ様をめぐって、決闘するのかと思いました……」
ゼリヤは胸に手を置き、ホッと息を吐いた。
「ふん、決闘などするか。俺にはメリアがいる。俺の正妃だとしても、レフィカに愛情はない」
「イーザック。お前はもっと女性の扱いを学んだほうがいいな」
くすりと兄上が笑ったのを見て、カッとなった。
「王の俺には政務がある! 妻に構っている暇はない!」
「王なら、なにをしてもいいわけではないぞ」
兄上の顔から笑みが消えた。
怒った兄上は恐ろしい――俺と違い、戦場で戦っていただけあって、その威圧感は父上以上だ。
「俺はドーヴハルク王国と同盟するなら、【契約】を断れと言ったな?」
「王位を捨てた兄上に言われたくはない!」
「ジグルズ様が王位を捨てた……?」
レフィカが驚いて、兄上を見る。
きっと意外だったのだろう。
――わかっている。兄上は俺より王にふさわしい人間だと。
「兄ではなくベルクヴァイン公爵として、王に忠告しただけだ」
王女の命を担保にした【契約】は、強固で破られることがない。
兄上はそれを必要ないと言いきった。
「他の国とは、【契約】がなくとも、信頼関係を築けている。犠牲による力は、今の時代にそぐわない。それをドーヴハルク王も理解するべきだ」
――兄上が怒っている……
兄上が止めるのを無視し、俺は【契約】による同盟を選んだ。
だが、俺の選択は間違っていない!
「ジグルズ様っ!」
「陛下っ! 落ち着いてくだされ!」
追いついたゼリヤと侍従が、俺の背後で『あれ?』という顔をしている。
どうやら、ゼリヤと侍従も、俺と同じ勘違いをしていたらしい。
「ジグルズ様と陛下が、レフィカ様をめぐって、決闘するのかと思いました……」
ゼリヤは胸に手を置き、ホッと息を吐いた。
「ふん、決闘などするか。俺にはメリアがいる。俺の正妃だとしても、レフィカに愛情はない」
「イーザック。お前はもっと女性の扱いを学んだほうがいいな」
くすりと兄上が笑ったのを見て、カッとなった。
「王の俺には政務がある! 妻に構っている暇はない!」
「王なら、なにをしてもいいわけではないぞ」
兄上の顔から笑みが消えた。
怒った兄上は恐ろしい――俺と違い、戦場で戦っていただけあって、その威圧感は父上以上だ。
「俺はドーヴハルク王国と同盟するなら、【契約】を断れと言ったな?」
「王位を捨てた兄上に言われたくはない!」
「ジグルズ様が王位を捨てた……?」
レフィカが驚いて、兄上を見る。
きっと意外だったのだろう。
――わかっている。兄上は俺より王にふさわしい人間だと。
「兄ではなくベルクヴァイン公爵として、王に忠告しただけだ」
王女の命を担保にした【契約】は、強固で破られることがない。
兄上はそれを必要ないと言いきった。
「他の国とは、【契約】がなくとも、信頼関係を築けている。犠牲による力は、今の時代にそぐわない。それをドーヴハルク王も理解するべきだ」
――兄上が怒っている……
兄上が止めるのを無視し、俺は【契約】による同盟を選んだ。
だが、俺の選択は間違っていない!