怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡
「……見たの」 「何を」 「この前、校舎裏で」 神崎くんの目がわずかに揺れる。

「あの先輩と話してたの」 「ああ」 「名前で呼ばれてた」 「……」 「腕も、触られてた」

言いながら、情けないくらい声が震える。

「神崎くん、すぐ払わなかった」 「それで避けたのか」 「だって……」

もう無理だった。

ぽろっと涙が落ちる。

「わたし、神崎くんのこと好きだから……っ」 「……」 「好きだから、ちょっとのことでも不安になるの」 「……」 「わたしの知らない神崎くんがいるのが嫌で、でもそんなの重いって思われたくなくて……」

涙が止まらない。 こんなの、重すぎる。 面倒くさいって思われても仕方ない。

なのに次の瞬間、ぐいっと引き寄せられて、わたしは神崎くんの胸に閉じ込められていた。

「ばか」 頭の上から落ちてくる声は、ひどく優しかった。
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