偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
「でも、そっか。それなら納得です。だって片瀬さん、今日なんか顔が柔らかいですもん」
「そうかな。いつもと同じだと思うけど」
「違いますよ。なんていうか、ちょっと機嫌がいいっていうか、楽しそうっていうか。だから彼氏できたって聞いて、ああ、それでかって思いました」
「そうなのかな……」
そんな自覚はまるでなかった。
しかし何気なく暗くなったパソコン画面をみると、確かに口元には自然と笑みが浮かんでいて、どうしてだろうと、自分でも少し不思議に思った。
ただランチを食べながら、久世部長と話をしていただけなのに……。