arch
「そうか、イケメンなのか。勿体ない」
梨花子が俗っぽく言う。
「いや、まだ来るかもしれないよ? なんか、まだこんな始まったばかりの空気のうちに槇野くんもスッと入って来られたらいいのになって……」
それは、別に槇野くんがイケメンだからじゃなくていつも全員出席していないこのクラスは、すっきりしないような、それこそこのままだと勿体ない、そんな気持ちだった。
「確かにさ、このクラス、雰囲気いいもんね」
「うん、そうそう。マッセンゆるいし~」
由紀恵は前髪をしきりに気にしながらそう言った。
「もし槇野が来ない理由がタイミングを逃しただけなら、来てほしいな」
梨花子がそう言って、何かすっきりしないし。と、槇野のくんの空いた席に目をやった。
「コンプリートしたいもんね」
由紀恵はへらっと笑う。だけど、その表現が妙にすっきり的を得ている気がして、だからすっきりしないのかと私はまだ見ぬ槇野くんをぼんやりと頭のなかで描いた。
「そうだ、聞かなきゃと思ってたの。二人とも彼氏いる?」
由紀恵が私と梨花子を交互に見て、ん?と首を傾げた。何となく恥ずかしくて、小さな声しか出なかったけれど
「いない」と、正直に答えた。
「私も」と、由紀恵と梨花子もすぐにそう言って、その瞬間はほっとした空気とともに同類意識が芽生え私たちは深く頷きあった。
梨花子が俗っぽく言う。
「いや、まだ来るかもしれないよ? なんか、まだこんな始まったばかりの空気のうちに槇野くんもスッと入って来られたらいいのになって……」
それは、別に槇野くんがイケメンだからじゃなくていつも全員出席していないこのクラスは、すっきりしないような、それこそこのままだと勿体ない、そんな気持ちだった。
「確かにさ、このクラス、雰囲気いいもんね」
「うん、そうそう。マッセンゆるいし~」
由紀恵は前髪をしきりに気にしながらそう言った。
「もし槇野が来ない理由がタイミングを逃しただけなら、来てほしいな」
梨花子がそう言って、何かすっきりしないし。と、槇野のくんの空いた席に目をやった。
「コンプリートしたいもんね」
由紀恵はへらっと笑う。だけど、その表現が妙にすっきり的を得ている気がして、だからすっきりしないのかと私はまだ見ぬ槇野くんをぼんやりと頭のなかで描いた。
「そうだ、聞かなきゃと思ってたの。二人とも彼氏いる?」
由紀恵が私と梨花子を交互に見て、ん?と首を傾げた。何となく恥ずかしくて、小さな声しか出なかったけれど
「いない」と、正直に答えた。
「私も」と、由紀恵と梨花子もすぐにそう言って、その瞬間はほっとした空気とともに同類意識が芽生え私たちは深く頷きあった。