arch
私たちの同類意識は由紀恵のこの一言でパリンと砕けた。
「《《今は》》いないんだよね」
ということは、最近まで、もしくは過去に彼氏がいたということで……私とは違う。そう思っていると、更にこう言った。
「昨日ね、告られた」
この一言で同類意識なんてもうまったく感じなくなってしまった。
「嘘! 凄い! 誰!?」
「ちょっと、しーって。そこ、そこにいるから相手」
由紀恵が私の後方へ視線だけを動かして、すぐにまた戻した。あからさまに態度に出してはいけないと
「ええ、本当だー!このペン書きやすすぎるー!考えた人誰ー!?」
と、はしゃいで誤魔化すと
「下手すぎ」「pilotだわ」「フリクション」「フリクションて何?」「ペンの後ろで擦ると消えるの」「えぇ!? 消えんのマジ!?」
「……梨花子、それ今いいわ」
そんな私たちのやりとりに、由紀恵はまたケラケラと笑った。
「むう、でも、このペン買おう」と梨花子は言って、ペンから私たちに向き直った。
「由紀恵、可愛いからなあ……」
「うん、確かに」
話しかける事に必死だったけれど、今落ち着いて由紀恵を見ると、ケラケラとよく笑うところもだし、持っている文房具とか、鞄についたキーホルダーとか一つに纏めただけの髪がおしゃれに見えたりだとか、くるんとした長い睫毛とか、顔にかかる髪を気にしていたりだとか、ちょっとしたことがとても女の子らしくて、男子受けが良さそうだ。彼氏がいたって、全然おかしくはない。
「《《今は》》いないんだよね」
ということは、最近まで、もしくは過去に彼氏がいたということで……私とは違う。そう思っていると、更にこう言った。
「昨日ね、告られた」
この一言で同類意識なんてもうまったく感じなくなってしまった。
「嘘! 凄い! 誰!?」
「ちょっと、しーって。そこ、そこにいるから相手」
由紀恵が私の後方へ視線だけを動かして、すぐにまた戻した。あからさまに態度に出してはいけないと
「ええ、本当だー!このペン書きやすすぎるー!考えた人誰ー!?」
と、はしゃいで誤魔化すと
「下手すぎ」「pilotだわ」「フリクション」「フリクションて何?」「ペンの後ろで擦ると消えるの」「えぇ!? 消えんのマジ!?」
「……梨花子、それ今いいわ」
そんな私たちのやりとりに、由紀恵はまたケラケラと笑った。
「むう、でも、このペン買おう」と梨花子は言って、ペンから私たちに向き直った。
「由紀恵、可愛いからなあ……」
「うん、確かに」
話しかける事に必死だったけれど、今落ち着いて由紀恵を見ると、ケラケラとよく笑うところもだし、持っている文房具とか、鞄についたキーホルダーとか一つに纏めただけの髪がおしゃれに見えたりだとか、くるんとした長い睫毛とか、顔にかかる髪を気にしていたりだとか、ちょっとしたことがとても女の子らしくて、男子受けが良さそうだ。彼氏がいたって、全然おかしくはない。