君の才能ごと、独り占め
才能のせいで見られてきた私に、彼はただ私自身を見てくれる。

それがどれほど救いになるか、たぶん彼は知らない。

電車が来るアナウンスが流れる。

ホームへ向かう前に、恒一くんは少しだけ身をかがめて私を見た。

「明日も迎えに行く」

「朝から?」

「当然」

「副会長、忙しいんじゃないの」

「星音のほうが優先」

息が止まりそうなくらい自然に言われる。

「そんなこと言われたら、期待しちゃう」

「して」

「え」

「もっと俺に甘えて」

クールな顔のまま、そんなことを言うのはずるい。

私は顔を熱くしながら、それでも笑って答えた。
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