君の才能ごと、独り占め
校門を出るころには、空はすっかり夕暮れ色だった。並んで歩く私たちの影が長く伸びる。

前と違うのは、彼がときどき私の指先に触れることだった。人目のある場所では恋人つなぎまではしない。でも離れないように確かめるみたいに、そっと触れてくる。

それだけで、好きがあふれそうになる。

駅に着く直前、恒一くんが足を止めた。

「星音」

「なに?」

「手紙のこと、まだ終わってない」

「うん」

「でも心配するな。次は絶対に俺が先に気づく」

「先にって、どうやって」

「見る」

「何を」

「おまえのこと」

真顔で言われて、また鼓動が速くなる。

「そんなに見られたら困るよ」

「困らせたいわけじゃない」

「じゃあ何」

「俺だけは見逃したくない」

その言葉に、胸がいっぱいになる。
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