過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
二人の秘密の恋が始まってから、半年。
社内での''完璧な先輩と後輩''の仮面と、二人きりになった時の''甘い恋人''の関係は順調に続いていた。
しかし、平穏に見えていた日常に、突如として大きな影が落ちる。
金曜日のランチタイム。
社内のカフェテラスで、同期の莉子と他部署の同僚・美咲と一緒にランチをとっていた時のことだった。
「ねえ結衣、単刀直入に聞くけど・・・瀬戸くんと付き合ってるの?」
「ぶっ・・・・!?」
パスタを口に運ぼうとしていた結衣は、美咲の不意打ちすぎる質問に危うく咽びそうになった。
慌ててお茶を飲み込み、動揺を隠すように俯く。
「な、なに言ってるの美咲ちゃん! 瀬戸くんは私の教育候補者で、ただの後輩だよ・・・・!」
「うーん、でもねぇ?」
今度は莉子がニヤニヤと、けれどどこか鋭い瞳で結衣の顔を覗き込んできた。