過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
肩口に顔を埋め、深々と結衣の香りを吸い込む廉。
社内の噂は、廉が裏で上司に手を回してくれたおかげで綺麗に沈静化していた。
もちろん結衣は、彼が
「結婚を前提とした付き合い」
だと報告したことなど知る由もない。
ただ、自分を守ってくれた彼の存在に、深く感謝と愛おしさを募らせていた。
「ねえ結衣ちゃん、ご飯の前に・・・一緒にお風呂入ろう?」
「えっ!? いっ、一緒に・・・・・!?」
「離れの客室風呂なんですから、当然二人で入るためのものです。・・・ダメですか?」
首を傾げて上目遣いで甘えてくる廉の顔に、結衣は「ダメ」と言えるはずもなかった。