過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

​「瀬戸くん、今日熱でお休みだって。」​


月曜日の朝。

課長からの連絡に、結衣の心臓がどきりと跳ねた。

あの無敵で完璧な廉が、体調を崩すなんて。

付き合い始めてから連日、結衣を気遣い、仕事も全力でこなし、影で結衣を守るために気を張り詰めていた疲れが出たのかもしれた。​


(・・・廉くん、大丈夫かな。一人で寂しくしてないかな。)​


一日中仕事が手につかなかった結衣は、定時を迎えると同時に退社し、スーパーでスポーツドリンクやゼリー、おかゆの材料を買い込んで廉のマンションへと急いだ。

​合鍵は、付き合ってすぐ
「いつでも来てください」
と廉から半ば強引に手渡されていたものだ。


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