過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
給湯室での甘いキスの余韻が冷めやらぬまま、結衣は廉のマンションへと向かっていた。
「ちょっとここで買い物していきましょう。」
マンションの最寄り駅にほど近い、落ち着いた雰囲気のスーパー。
夜の8時を過ぎた店内には、買い出しをする会社員やカップルの姿がちらほらと見えた。
「廉くん、二人で入って大丈夫・・・・・? 誰かに見られたら・・・・。」
「ここ結衣さんの家からも会社からも離れてますから、大丈夫ですよ。ほら、カート押してください。」
廉はそう言って結衣の手から鞄をひょいと取り上げると、自分の肩にかけた。