英語の天才は日本語がちょっと不自由!?
冷たい視線が、壇上の律に一斉に突き刺さる


律はマイクを握りしめ、必死に声を絞り出そうとした


「……これは、誤解だ。我が部の予算は、国際大会への遠征費として、規定の範囲内で……っ」


ガタガタと、律の右手が激しく震え出す


2年前、白銀怜に完璧に論破され、全校生徒の前で恥をさらしたあの記憶


――過去のトラウマが、律の喉を完全に締め付けていた


声が出ない。


絶望が律の瞳を支配していく。


「ほら、反論できないじゃないか! やはり黒崎は――」


副会長が勝ち誇ったように叫んだ、その時だった


「そこまでにしなさいよ、この『タヌキの皮算用』副会長!」


< 80 / 106 >

この作品をシェア

pagetop