monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜
「白石ちゃん、何かわからないことがあったら何でも聞いてね!」
そう言って気さくに笑いかけてくれたのは、華やかな雰囲気を纏った2年生女子の姫華(ひめか)先輩だった。
ふんわりとした甘い香水の匂いが、かすかに鼻腔をくすぐる。
そして彼女のすぐ隣には、慣れた手つきで姫華の肩へそっと腕を回し、優しく目を細める律の姿があった。
「そうそう、姫華は一応俺の彼女だから。女子同士仲良くしてやって。」
冗談めかして微笑む律。
その声の響きにも、身のこなしにも、一切の淀みがない。
姫華は
「もう、律ったら」
と頬を染め、嬉しそうに彼の胸元へ身体を寄せた。
(彼女さんも同じ部活なんだ…。)
学校一のモテ男で、噂通りの遊び人。
律の周りにはいつも、誰も立ち入れないような甘く完璧な輪ができていた。