monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜
一人で静かに写真を撮り、静寂の中に逃げ込んできた自分とは、生きている世界も、吸っている空気すら違いすぎる。
彩羽は
「よろしくお願いします。」
と深く深くおじぎをした。
そして、深く頭を下げたまま、そっと自分の足を数センチ、後ろへと引く。
この場所に自分の居場所を作りたいのなら、あの眩しい光の中に手を伸ばしてはいけない。
彩羽は胸の奥で、静かで分厚い防波堤の扉を、そっと音を立てて閉ざしたのだった。