monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜
それから数日後。
放課後の部室で、彩羽は一人でカメラの手入れをしていた。
ブロアーでレンズの埃を吹き飛ばしていると、静かだった廊下から突如として賑やかな足音が近づいてきた。
甲高い女子生徒たちの声と、それに答える低くて心地よい男子の声。
「律くん、今日のバイト終わったらLINEしていい?」
「んー、気が向いたらね。じゃ、俺部活だから。」
バタン、と部室のドアが勢いよく開き、一人の男子生徒が滑り込んできた。
きちんと着こなされた制服、少し長めの黒髪、そして息をのむほど整った顔立ち。
黒羽 律。2年生。
(入学式の時の…。)
容姿端麗で常に女子の噂の中心にいて、彼女が途切れたことがないという''遊び人''の先輩だった。
(な、なんで……?)