monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜
パニックになる彩羽を余所に、律は背後のドアに鍵をかけると、
「はぁ、しつこ。」
と小さくため息をついた。
そして、部屋の奥でフリーズしている彩羽の存在に気づくと、驚いたように目を丸くした。
「あれ? 新入部員?」
律がゆっくりと歩み寄ってくる。
整いすぎた顔が間近に迫り、ほんのりと甘い香水の香りが漂った。
「俺は2年の黒羽 律。よろしくね、白石さん。」
なぜ自分の名前を知っているのかと怯える彩羽に、律はニッと意地悪そうに笑ってみせた。
「入部届、机に出てたから。…それにしても、そんなに怯えなくても取って食べたりしないよ?」