世界の歌姫今日も元気にスパイ活動中!?
「次の曲は、メンバーのHITOHA作詞、KARAKU作曲。」

「振り付けはIYU、LALA、CHESSの3人。」

「グループ全員で作った曲です」

会場に大きな歓声が上がった

ああ

「聞いてください」

私は

『Challenge』

このグループが大好きだ。

―――

楽屋に戻るとCHESSがいちばんにソファーに駆け込んだ

「あ゙〜づかれた」

「もうCHESS、衣装のまま寝そべらない!ちゃんと脱いでからにしなさい」

「はーい。本当にHITOHAはお母さんだな〜」

HITOHAはみんなのお母さんみたいだ

「IYU、今日もダンスキレキレがかっこよかった!」

「……ありがとう。CHESSも、今日のトークも面白かったよ。特に餃子の話」

「でしょ〜? あれ私の鉄板ネタの1つだから!」

「あれ鉄板だったんだ」

「LALAひどっ!何個か話したことあるのに〜」

「ふふっ」

みんなが笑う。

私はその輪の中で、ペットボトルの蓋を開けた。

「……歌楽」

「ん?」

「また逆」

「え?」

IYUが私の手元を指差した。

見ると、持っていたペットボトルから水が溢れて床が濡れていた。

「…………」

「歌楽、今日何回目?」

CHESSが笑いながら聞いてくる。

「4回目」

HITOHAが即答した。

「数えてたの!?」

「そりゃ数えるよ。今日だけでペットボトル事件4回とマイク逆さま3回だから」

「…………」

「歌楽、ステージではあんなに完璧なのにな〜」

「うるさい」

「クールドジ」

LALAがぽつりと言った。

「LALAまで……」

また、みんなが笑う。

私はため息をついて、今度こそちゃんとペットボトルの水を飲んだ

こういう時間が好きだ。

ステージの上では、何万人もの人が私たちを見ている。

歌

ダンス

笑顔

完璧を求められる

でも、ここでは違う。

笑って、騒いで、くだらないことで怒られて。

ただの女の子でいられる。

誰かの特別になんかならなくていいんだ

「ねえ、KARAKU」

「なに?」

CHESSが私の隣に座った。

「今日の夜、何食べたい?」

「……刺身」

「即答じゃん!」

「私はお肉」

「IYUまで!?」

「私、ラーメン」

HITOHAが手を挙げる。

「えー! バラバラじゃん!」

「LALAは?」

「なんでもいい…強いて言うならしゃぶしゃぶ」

「それ一番困るやつ!てかなんでもよくないじゃん!?」

また笑い声が響いた。

そのときだった。

――ピコン。

テーブルの上に置いていた私達のスマホが、震えた。

画面を見る。

そこには、誰から送られてきたのか分からない名前が表示されていた。

私達は笑顔を消した。

『KARA、CHESS、IYU、HITOHA、LALA』

短いメッセージ。

『至急、水龍本部へ。緊急任務』

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