世界の歌姫今日も元気にスパイ活動中!?
「……緊急任務?」
CHESSがスマホを覗き込む。
「珍しいね」
「うん」
LALAが頷いた。
「五人全員が呼ばれるなんて、久しぶり」
「ということは――」
HITOHAが立ち上がる。
「さっさと着替えよう」
「えー、せっかく今日は早く帰れると思ったのに!」
「CHESS、文句言わない」
「はーい……」
LALAが小さく笑った。
「行こっか」
私たちは顔を見合わせる。
そして、さっきまで着ていたキラキラの衣装を脱いだ。
代わりに身につけるのは、黒い服。
厚い防弾チョッキ。
髪をまとめ、必要なものだけを持つ。
数分前までステージの上で笑っていた私たちは、もういない。
「準備できた?」
HITOHAが確認する。
「完璧!」
CHESSが敬礼する。
「行くよ」
IYUがドアを開けた。
「帰ったら焼肉ね!」
「刺身一択」
私たちは夜の街へ飛び出した。
―――
繁華街の片隅。
古びた占いの館。
CHESSが看板を見上げる。
「なんか老朽化すすんだ?」
HITOHAが苦笑いした
「まあ、久しぶりだもんねー」
私は扉を開けた。
「いらっしゃ――」
私たちはニッコリと笑う
「こんばんは」
占い師のおばあちゃんが、不敵な笑みを浮かべた。
「今日は五人かい?」
「……はい」
CHESSが笑顔で答える。
「久しぶりだねえ。今度はお茶でも飲みにおいで。…じゃあ、こっちへどうぞ」
おばあちゃんがカーテンの奥を指差した。
その先にあるのは、古びた壁。
HITOHAが壁に手を当てる。
カチッ。
隠されていた扉が開いた。
「毎回来るたびに思うけど、ここ絶対バレないよね」
CHESSが呟く。
「バレたら困る」
「それはそう!」
階段を下りる。
少し進むと、広い部屋に出た。
「お疲れ様です」
何人もの人が私たちに声をかける。
私たちも軽く手を振りながら、その奥へ向かった。
そこに――龍さんがいた。
黒い髪。
きっちりと着こなしたスーツ。
長身で、服の上からでも鍛えられていることが分かる身体。
「来たか」
「どうしたんですかボス。いつもはスマホで通達なのに」
HITOHAが聞く。
「少し厄介な任務だ」
龍さんが机の上に一枚の写真を置いた。
「この男を知っているか?」
私たちは写真を覗き込む。
見覚えのない男だった。
「誰?」
CHESSが首を傾げる。
「海外の情報屋だ。今夜、この近くで取引をする」
龍さんが続ける。
「水龍の情報が、その男の手に渡る可能性がある。大した任務じゃないが、今回は護衛にバケモンがついているんでな」
「つまり?」
IYUが聞く。
「取引を止めろ。ただし、できるだけ騒ぎは起こすな」
「了解」
HITOHAが頷く。
「先に朱夏を向かわせている。お前たちは現場に着いたら、朱夏と合流しろ」
「朱夏さんを?」
LALAが少し驚いた顔をした。
普段、朱夏は海外での任務をしている。
だから帰ってきたこと自体が珍しい。
「今回は五人全員の力が必要になる」
龍さんがそう言った。
私は写真を見つめた。
「……行こう」
五人で頷く。
「LIMIT、出動!」
「それ任務中に言わないでよ!」
CHESSの声が響いた。
「えーかっこよくない?」
ドヤ顔のCHESSがいた
「ドヤ顔すんな」
私は思わず笑った。
――いつも通りの任務。
このときの私は、そう思っていた。
まさか、この任務が。
私たち五人の運命を変える最初のきっかけになるなんて――
まだ、知るはずもなかった。
CHESSがスマホを覗き込む。
「珍しいね」
「うん」
LALAが頷いた。
「五人全員が呼ばれるなんて、久しぶり」
「ということは――」
HITOHAが立ち上がる。
「さっさと着替えよう」
「えー、せっかく今日は早く帰れると思ったのに!」
「CHESS、文句言わない」
「はーい……」
LALAが小さく笑った。
「行こっか」
私たちは顔を見合わせる。
そして、さっきまで着ていたキラキラの衣装を脱いだ。
代わりに身につけるのは、黒い服。
厚い防弾チョッキ。
髪をまとめ、必要なものだけを持つ。
数分前までステージの上で笑っていた私たちは、もういない。
「準備できた?」
HITOHAが確認する。
「完璧!」
CHESSが敬礼する。
「行くよ」
IYUがドアを開けた。
「帰ったら焼肉ね!」
「刺身一択」
私たちは夜の街へ飛び出した。
―――
繁華街の片隅。
古びた占いの館。
CHESSが看板を見上げる。
「なんか老朽化すすんだ?」
HITOHAが苦笑いした
「まあ、久しぶりだもんねー」
私は扉を開けた。
「いらっしゃ――」
私たちはニッコリと笑う
「こんばんは」
占い師のおばあちゃんが、不敵な笑みを浮かべた。
「今日は五人かい?」
「……はい」
CHESSが笑顔で答える。
「久しぶりだねえ。今度はお茶でも飲みにおいで。…じゃあ、こっちへどうぞ」
おばあちゃんがカーテンの奥を指差した。
その先にあるのは、古びた壁。
HITOHAが壁に手を当てる。
カチッ。
隠されていた扉が開いた。
「毎回来るたびに思うけど、ここ絶対バレないよね」
CHESSが呟く。
「バレたら困る」
「それはそう!」
階段を下りる。
少し進むと、広い部屋に出た。
「お疲れ様です」
何人もの人が私たちに声をかける。
私たちも軽く手を振りながら、その奥へ向かった。
そこに――龍さんがいた。
黒い髪。
きっちりと着こなしたスーツ。
長身で、服の上からでも鍛えられていることが分かる身体。
「来たか」
「どうしたんですかボス。いつもはスマホで通達なのに」
HITOHAが聞く。
「少し厄介な任務だ」
龍さんが机の上に一枚の写真を置いた。
「この男を知っているか?」
私たちは写真を覗き込む。
見覚えのない男だった。
「誰?」
CHESSが首を傾げる。
「海外の情報屋だ。今夜、この近くで取引をする」
龍さんが続ける。
「水龍の情報が、その男の手に渡る可能性がある。大した任務じゃないが、今回は護衛にバケモンがついているんでな」
「つまり?」
IYUが聞く。
「取引を止めろ。ただし、できるだけ騒ぎは起こすな」
「了解」
HITOHAが頷く。
「先に朱夏を向かわせている。お前たちは現場に着いたら、朱夏と合流しろ」
「朱夏さんを?」
LALAが少し驚いた顔をした。
普段、朱夏は海外での任務をしている。
だから帰ってきたこと自体が珍しい。
「今回は五人全員の力が必要になる」
龍さんがそう言った。
私は写真を見つめた。
「……行こう」
五人で頷く。
「LIMIT、出動!」
「それ任務中に言わないでよ!」
CHESSの声が響いた。
「えーかっこよくない?」
ドヤ顔のCHESSがいた
「ドヤ顔すんな」
私は思わず笑った。
――いつも通りの任務。
このときの私は、そう思っていた。
まさか、この任務が。
私たち五人の運命を変える最初のきっかけになるなんて――
まだ、知るはずもなかった。