先生はキケンな許嫁。
「………いし!白石?」
「ん……?あぁ…ご、ごめんなさい」
「どした?大丈夫か?」
「大丈夫!です……」
先輩が何度も呼んでくれた名前も、全然聞こえなかった私はハッと我に返る。
「あのさ、白石」
「ん?」
「もしよければなんだけどさ…今日俺ん家泊まりに来ない?明日まで親いないから」
「え?今日……ですか?」
「あ、うん。嫌だったら全然大丈夫だから!
ごめん変なこと言っ…」
「いいですよ」
「まじで?本当に?」
「……はい、大丈夫です」
「うわぁ!まじか!よかったー!」
私は一つ返事で先輩に返事をした。
忘れてた。先生がチャラ男だったってこと。
許嫁だから仕方なく住んでるだけの赤の他人なんだよね。
……もうあんなやつ、知らない。
先輩が注文したパスタを食べ終えたあと、私は一度家に帰って、荷物を持ってから先輩の家に行くことになった。
「白石の家の前で待ってるよ」
先輩の発した一言に、動揺した。
さっき先生もファミレスの目の前にいたし……鉢合わせたらまずい。
「ちょ、ちょっと、準備に時間かかるかもしれなくて!駅で待ち合わせでもいいですか?」
「あ、そっか!わかった!」
先輩は何も疑うことなく、あっさり駅で待ち合わせをOKしたくれた。