先生はキケンな許嫁。

「びしょ濡れじゃんか」


そう言いながら冴島くんは持っていた傘に私を入れてくれた。

近くの公園の屋根のあるベンチに移動して腰掛ける。


「これ、使って」

「大丈夫だから…」

「いいから!これ、使ってないし綺麗だから」



そう言って冴島くんはカバンから取り出したスポーツ用のタオルを貸してくれた。

「ありがとう」

貸してくれたタオルで濡れた顔と服を拭いながら、さっきの拓哉先輩との出来事を思い出す。


私って最低だな……。つくづくそう思った。


「拓哉先輩と喧嘩でもしたの?付き合ってるって噂聞いたから」

「あぁ、まぁ、そんな感じ。」

「そっか、なんかあったら俺でよければ聞くから」



それだけ言うと冴島くんは私を傘に入れてくれながら家まで送ってくれた。


冴島くんが先生と鉢合わせないようにキョロキョロ周りを確認した。


「ありがとう冴島くん」

「ううん、じゃまた学校で!」



ばいばーいと言いながら私はマンションのエントランスに入る。


てか冴島くんと初めて話したな。
陽キャ男子の中にいる割には話しやすかった。




そんなこと考えながらエレベーターのドアが開いた瞬間。



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