先生はキケンな許嫁。
覚悟を決めたはずだったのに。
ブラウスのボタンを直しながら先輩の家を飛び出した。
ザーーッと降る土砂降りの雨の中、傘も差さずに。
これが雨なのか涙なのか、もうわからない。
やけくそになって先輩の家に泊まろうとした自分が嫌になる。
先輩への罪悪感ももちろんある。
だけど脳裏には先生のことが浮かぶばかりで。
「白石さん?」
土砂降りの雨の中途方に歩いていると
後ろから声をかけられた。
ゆっくりと後ろを振り向く。
「………?」
「白石さんだよね?大丈夫?」
振り返るとそこには同じクラスの、冴島(さえじま)くんが立っていた。
冴島くんはクラスの一軍男子、いわゆる陽キャメンバーの中にいるけど、割と落ち着いているタイプ。
容姿もかっこいいし、確か結構モテる。
ちなみに先輩と同じサッカー部。