桜吹雪が終わったらキミとまた出会いたい

お見舞い

「月奈、お母さん来たよ」

午後。

病室のドアが開いて、お母さんが顔を出した。

「お母さん!」

思わず声が明るくなる。

久しぶりに会えた。

何日ぶりだろう。

そんなことを考えていると、お母さんがベッドのそばまで歩いてきた。

「体調どう?」

「うん。いつも通り!」

「そっか」

お母さんは笑った。

でも、その笑顔はどこかぎこちなかった。

「ねぇ、月奈」

「なに?」

「看護師さんから聞いたんだけど……」

お母さんが少し言いにくそうに口を開く。

「月奈、よく窓の外を見てるんだって?」

「……え?」

「学校に行ってる子たちを、羨ましそうに見てるって」

胸が、きゅっと締まった。

「……見てたけど」

「学校、行きたい?」

少しだけ迷ってから、私は頷いた。

「……うん」

「そっか」

お母さんは俯いた。

「ごめんね、月奈」

「……え?」

「お母さんが、もっとちゃんとしてれば……」

「やめてよ」

思わず遮った。

「お母さんのせいじゃないじゃん」

「でも……」

「私、怒ってないよ」

笑ってみせる。

本当に怒ってなんかいない。

お母さんも、お父さんも悪くない。

ただ――。

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