Office Battle!不満だらけの女たち
「ほんっとに、ここの人たちってルーズですよね」

手は止めず、坂下さんが小さな声で愚痴をこぼした。

「この資料だって、課長が決めた〆日に集まってれば、今日大慌てする必要もなかったんですよ。
大きな会議のときは、毎回こうなんです。次の更新考えちゃいますよ」

あら、まぁ。過激な発言だこと。

「坂下さん、大変ね…」

一応同調してあげることにした。

「宮本さんだって、いつも取り立てに苦労してますよね?」

「取り立てって、なぁに?」

「請求書や伝票の承認作業ですよ。
私、いつも気の毒だなって思ってるんですよ。とくに有賀さんは酷いですよね」

作業ブースで周囲に誰もいないのを良いことに、坂下さんの悪態は止まらない。

「もうとっくに諦めてるわ。坂下さんも、3年いれば、諦めがつくわよ。
まあ、承認がもっとスムーズなら、私ももう少し早く帰れると思うんだけどね」

「バカですよね~。この会社。
経費節減で正社員減らして派遣社員入れてるのに、その正社員が怠慢して派遣社員の残業増やしてるんですから、本末転倒ですよ」

「今日は過激ね…。誰かに聞こえたら大変よ」

「いーんです。文句があるなら切ってくれて構いません。他探しますから」

「まぁまぁ…」

「今日の私、ちょっと殺気立ってるんです。
毎回これなんで、学習能力のないあの人たちにうんざりなんです」

私にここまで愚痴をこぼすなんて、坂下さんにしては珍しい。
一線をきちと引いて、自分が不利になる材料を作らない子だと思っていたけど。
相当頭にきてるんだろうな。
無理もないけど。
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