霧を払ってくれたあなたは、きっと分かっている。
お父さんがいつもの雰囲気はからは想像できない真面目な顔をしていた。

「俺は、小さい時おばあちゃん…お前らに伝わりやすくするためひいおばあちゃんと言うか。当時戦争の話を聞かせてもらってたんだが、その時のひいおばあちゃんの親友だった小河霞さんって言う人の話をな…でその霞さんには当時好きだった人がいたんだがその人は海軍に入っていたらしい、おばあちゃんと霞さんは大日本国防婦人会って言う兵士さんのお世話をする仕事をしていて時間がある時三人一緒によくお喋りしていたらしい。」

ひいおばあちゃんがそんな事をしていた事に驚愕だが、学校の授業で当時の女性は戦地へ行かない代わりに学校にも行かず兵士さん達のお世話をしていてた事を思い出した。

「霞さんの好きだった人は、どうなったの?」

「…敵国との戦闘で負けて海没死したらしい」

聞くんじゃなかったと後悔した。

分かっていたのに好奇心を抑え切れなかった。

「ごめんごめんこんな雰囲気になってしまってお前は、気にしなくていい。お母さんの美味しいご飯が冷める前に早く食べよう」

「そんな事を言ってもお酒はもう駄目よ」

「いやそんな事言わずに…」

お父さんがいつもの雰囲気に戻ってお母さんにあしらわれてリビングは笑いに包まれたが、私はお父さんが一瞬悲しい顔になったのを見逃さなかった。
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