京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
「……、寧々」
「んん?」
「寧々、起きてや」

 ぼんやりした頭で目の前の伊織を見ると、先ほどとは違いスッキリとしていた。どうやらきちんと眠ることができたらしい。
 しかし、伊織に起こされたということは、寧々は眠ってしまっていたようだ。

「お仕事なのに眠ってすみません!」
「気にせんでええよ、おかげでよく眠れたし」
「でも……!」
「……そんなに気になるなら、もう一回キスして? ほっぺじゃなくて、ここに」

 ここと言って寧々の唇に人差し指をちょんちょんとつついてきた。もう一回キスしてということは、まさか、起きていたということなのだろうか。

「……起きてた?」
「寝込みを襲うのはあかんよなあ?」
「そ、それは」
「せやから、寧々、キスして?」

 背の高い伊織は、わざわざかがんでキスをせがむ。閉じられた目はまつげが影を差した。綺麗な顔だなあとのんきなことを考えていると「見過ぎ」と言われ、唇を奪われた。
 唇を優しく食まれ、ちゅっちゅと音を鳴らしキスをされる。気持ちよくてふわふわしてきた。

「ん……。寧々、これ以上はあかん、シたくなってまう」
「……そうだね。でも、キス、気持ちいい」
「こら、そんなかわええこと言うたらあかん。歯止め効かなくなるやろ」
「うん、ごめん」
「お楽しみは取っておくから、執筆頑張ってくるわ」
「……それって、そういうこと?」
「ふふ、好きに受け取って?」

 もう一度触れるだけのキスをして、伊織は寧々の頭を優しく撫でた。

「俺は続きやってくるから、寧々は家事をお願いするわ」
「はい、任されました」
「ん、ほな頑張ろか」

 別室で執筆をする伊織を見送り、寧々は家事を再開する。
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