京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 洋服やバッグ、靴を引っ張り出し、姿見の前でああでもないこうでもないと悩む。
 伊織は背が高くて手足もすらっとしているから、きっとどんな服でも着こなしてしまうんだろうな。
 明日の服装について悩んでいると、伊織からメッセージがきた。

【寧々ちゃん、明日はよろしゅう頼みます。夜更かしせんようにな。会えるの楽しみにしてるで】

 にっこりと笑っている猫のスタンプが送られてきて、寧々はほっこりする。明日のデートを楽しみにしているのは自分だけじゃないと知り、心が浮つく。

『こちらこそよろしくお願いします。清水さんも夜更かししないようにね。私も明日楽しみです』

 よろしくお願いしますとぺこりとお辞儀をした最近流行りのキャラクターもののスタンプを送信する。
 すぐに既読がついて、伊織からもお願いしますのスタンプが送られてきた。

【早いけど、おやすみ。また明日】

 初めておやすみのあいさつをされた。今の時刻は二十一時。こんな時間までメッセージのやり取りをするのは初めてだと思うと、少しでも距離が縮まったことを嬉しく思う。

『おやすみなさい。また明日ね』

 そう返して、寧々はスマホを胸元に抱き寄せた。こんなに胸が高鳴るのは本当に久しぶりだ。幸せな時間に寧々は幸福感で満たされる。

 明日の服装は全部決まり、寝る準備をした。明かりを消し、ベッドに潜り込む。眠る前に伊織の顔が見たい。初めてのデートで伊織の写真を撮ったものを見返して、明日は彼と二回目のデートをするのだと思うと胸が躍る。
 いつの間にか日付が変わっていたようで、夜ふかししていたら明日に響くかもしれないと急いでスマホを枕元に置いて充電した。

 暗がりが寧々を包むが怖くはなかった。早く明日が来ますように。そう願いを込めて瞼を閉じた。
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