京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 およそ三十分ほど語っていた寧々だが、いくら伊織が作家とはいえ他の先生の作品語りをしていたらうっとうしいと思われていないだろうか。
 急に不安になった寧々は「一人で話してごめんね」と謝った。

『俺は楽しいで。寧々ちゃんの声、もっと聞かせて?』

 そんな風に言われたら、水川累の小説だけではなく普通に伊織と話したくなる。こういうところが伊織はずるいのだ。

「私だけ話してもつまらないだろうから、清水さんも話してよ」
『……せやなあ、寧々ちゃんは水川累の熱心なファンでええってこと?』
「そうだよ。それがどうかしたの?」

 伊織は電話の向こうで何か考えているようだった。
 そして、放った言葉は。

『この後俺とデートせえへん?』
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